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サロンビジネスの基本編でお伝えしてきた内容を実践的に解説していきます。
どのような見込み客を集めて、どのような商品(サービス)を提案していくのか?
通常サロンでは「誰でも」いいから集客して「提案できる商品」が無い状態で経営していることが多いです。
都度払いはその典型のやり方になりますね。
この章では「フロントエンド・バックエンド」の考え方を紹介していきます。
これが理解できると「集客」の意味が変わってくるかと思います。
フロントエンドとは?
フロントエンドは、お試し商品のことです。
まだあなたのことを信頼していない初回の見込み客は高いものを買おうとはしません。
そこで「お試し商品」を用意して見込み客を集めるために用意するわけです。
「そんなこといつもやっているよ」
と思ったかもしれませんが、このお試し商品にかけるあなたの意気込みは次のものにはなっていないのでは無いでしょうか?
- お試しは1回だけ
- その日に高額の商品(サービス)をお試しの見込み客に販売する
- その日を逃してしまったら次はない
- 2回目以降に値引きしたら高額の商品(サービス)は売れない
本来の意味での「お試し商品」とはこのようなものになります。
最も重要な点は「その日を逃したら次はない」ですが、その日に売れるように工夫をしておくことがフロントエンドです。
「一生懸命にサービスをして気に入ってもらってリピートしてもらおう」
これだけでは売れないということです。
どこのサロンでもそう思って頑張っていますが、結果は「売上が上がらない」という現実があるのですから、「その前の工夫」が必要になります。
バックエンドとは?
バックエンドは本命商品のことです。
これがあなたの「提案」する内容になるのですが、まずバックエンドを持っていないサロンのほうが圧倒的に多いため、バックエンドを持つだけでも売上が上がる可能性が増えてしまいます。
サロンビジネスは、LTVの章でお伝えしたようにバックエンドの価格で売上が決まり、いくらの広告費をかけたら何本のバックエンドが売れる。
ということまで計算できてしまいます。
そして、バックエンドを持てばあなたのサロンのLTVは大きくなりますので今まで逃していたリピート客から大きな売上を得ることになっていくのです。
さらには、バックエンド販売のビジネス手法に変えた途端にあなたのサロンは新規の集客数が少なくても大きな売上を手にすることができます。
私がコンサルしているクライアントの例では、早い人で1ヶ月以内にバックエンドが売れ、遅い人でも2ヶ月以内に最初のバックエンドが売れています。
一度売れると成功体験から自信がついて販売することが楽しくなり、新規の予約が入ると「やった!12万だ!」という感じになります。
まず考えるのはバックエンド
順番としてはバックエンドを先に考えなければいけません。
バックエンドが見込み客の欲しいものでなければフロントエンドで良いお客様を呼ぶことができないからです。
ここで復習しておきますが、
集客とは「バックエンドを買う見込みの高い人をフロントエンドで呼ぶこと」です。
バックエンドを買う見込みの高い人とは誰のことでしょうか?
それは「高いお金を払ってでも解決したい悩みのある人」ということになります。
高いお金とはいくらなのか?はここでは決められません。
業種やサービス内容によって、さらにはその悩みの種類によっても見込み客が妥当と感じる価格が違うからです。
私のクライアントの例で言うと、美容院で3本のバックエンドを作り広告に出しました。
- 美髪コース20万
- 育毛コース40万
- ヘッドスパ3回45000円
この中で美髪コースと育毛コースは売れるのですがヘッドスパだけは売れません。
ヘッドスパは同地域の競合となるサロンの価格相場3000円程度と安いため、その業界の相場も影響してくるということです。
整体の相場1回5000円だとしたら1回当たり15000円を設定するには「それでも求められる理由」がなければ難しいですが、
ダイエット系で1回当たり15000円以上の設定は容易です。
このあたりも考慮してバックエンドの価格はテストしていき売れやすい価格に調整していきます。
しかし、注意点としてLTVの章でお伝えしたように「最低10万円」というのが目安です。
理由は、かける広告費を大きくできるから。
新規集客は広告費をかけられれば集客できますのでバックエンドの価格次第でビジネスの成否が決まります。
この点だけ頭に置いておきましょう。
バックエンドは「深い悩み」の解決
さて、バックエンドはまとまったお金を先にいただくわけですから、それなりの「深い悩み」を持った人でなければ買いません。
この「深い悩み」を見つけることが大切です。
①【浅い悩み】〜〜できたらいいな
- 最近、腰が重いけど軽くならないかな
- もう少し痩せたらいいな
- 彼氏できたらいいな
②【深い悩み】〜〜しないとヤバイ
- どこに行っても腰が治らない。なんとかしないと痛みがヤバイ。
- 太りすぎてきて自分ではどうにもできない。なんとかしないとヤバイ。
- 寂しくて仕方がない。もうそろそろ彼氏作らないとヤバイ。
③【緊急性の悩み】〜〜になってしまった、どうしよう。
- ギックリ腰になったかもしれない。どうしよう。
- 来月に結婚式の前撮りがある。痩せないといけない。どうしよう。
- 34歳。8年付き合ってきた彼氏と破局しそう。これを逃したら出会いはない。どうしよう。
④【深いコンプレックス】
- 子供の頃から猫背で自分に自信が持てない。
- 足が太いのが嫌で毎日鏡を見るたび嫌になる。
- いつも遊ばれて終わる。きっと私の性格がダメなんだ。
言うまでもなく、③と④が高額のバックエンドが売れるターゲット層になりますが、あなたの業態や提供できるサービス内容、結果を考慮して「なるべく深い悩み」を考えてみてください。
深い悩みであればあるほど、緊急性が高い悩みであればあるほど高額のサービスが売れるのですから、とにかく悩みを見つけることです。
バックエンドの作り方
悩みを見つけたらバックエンドを作ります。
その悩みを、
- どのくらいの期間で
- 何回ぐらいで
- 通うペースはどのくらいで
- 他に必要なもの
これを全て含めて価格がいくらになるのかを計算してください。
総額で20万かかるなら、それがバックエンドの価格で大丈夫です。
まずこれが叩き台になります。
次に、サロンビジネスの基本編④売れる商品の作り方を参考にキーワードをリサーチしてください。
そして知恵袋で同じ悩みを持っている人の質問をたくさん読んで、あなたのバックエンドが求められている解決に対応しているのかを見直してみましょう。
(知恵袋は質問者の質問内容だけみてください。回答者の回答は参考になりません)
キーワードの種類、検索ボリュームを調べたら、その中で使える最も多い検索数のキーワードを組み合わせましょう。
なぜ最も大きいキーワードを組み合わせるかの理由は、2つあります。
1つ目は、検索数の大きなキーワードはそれだけニーズが高いから。
2つ目は、サロンビジネスはローカルビジネス(地域密着ビジネス)だから。
なるべく検索数の大きなキーワードにあなたのサロンに地域名を組み合わせると、それでも検索数は減ります。
最初から検索数の少ないキーワードを組み合わせるとほぼローカルでの検索が無い状態になるからです。
まずここまで分析したら、あとはポンポンとバックエンドを作ってみてください。
いろんな価格帯のものを作れば良いです。
バックエンドの案内用紙だけ作成すれば良いのですから時間はかかりません。
深い悩みを解決できる「期間・回数・価格」これだけ決まれば案内用紙は作れますし、内容についてもあなたは既に大まかなものは考えついているはずです。
商品が売れるか売れないかは広告を出してみないと分かりませんので、サポート内容は「大まかな内容」だけ考えておけば大丈夫です。
売れてから綿密にサポート内容を考えるようにしてください。
完璧なものを出そうと思わないことがコツです。
バックエンドは最低でも3つは考えておきましょう。
3段階の価格設定で提案できるようにすると成約しやすくなるからです。
私の場合は、整体院の頃に常に5種類ぐらいのバックエンドは用意していました。
バックエンドのネーミングは検索数の大きなキーワードの組み合わせにしておくとニーズが高くなるでしょう。
案内用紙の例は別紙でダウンロードできるようにしておきます。
フロントエンドの作り方
次にフロントエンドを作ります。
フロントエンドの目的は「バックエンドを買う人」を呼ぶことですね。
ですので「とりあえず受けてみよう」という人が来ないようなフロントエンドにします。
これは簡単です。
バックエンドのネーミングを載せて「初回体験」とするだけ。
あなたの考えたバックエンドが「足痩せ集中3ヶ月コース」だとしたら、
昔から足だけ痩せないあなたへ 足痩せ集中3ヶ月コース 初回体験15000円→毎月先着10名限定6980円
このようにするのがフロントエンドです。
ポイントは「期間集中コース」「初回体験」「限定性」の3つを入れておくだけ。
この広告を見た見込み客は、本当に悩みを解決したい人しか予約してきません。
だから新規の数は減ります。
新規の数が減っても高額のバックエンドの成約率が上がるので結果、あなたのサロンの売上は上がります。
例えば、新規が5名しか来ないけど、その中の3名が20万のバックエンドを成約して60万の売上になった。
このような結果が生まれます。
これを都度払いで稼ごうと思ったら相当な広告宣伝費がかかり利益が少なくなってしまいますよね。
そして、売上が少し上がってきたら広告費を少しだけ上げて新規数を増やしていきます。
安定してきたら100%成約率を目指せる方法もやれます。
100%成約率を取る方法は、このようなニーズの高いバックエンド商品を作り、絞り込まれたフロントエンドで悩みの深い人を集客する。
そして、新規予約してきた見込み客に対して、返信で次のようなメッセージを送ります。
このたびは●●のご予約を頂きまして誠にありがとうございます。せっかくお客様から選んでいただいたからには真剣にお悩みの解決に対応させていただきたいので、いくつかご質問させてください。
①どんなことでお悩みですか?
②当サロンは都度払いのメニューがなく、おおよそ3ヶ月ほどで改善させていただくプランをご用意しておりますが、そのためのお時間、ご予算はご用意していただけますか?
当日までにご返信くださいますと助かります。
それでは〜〜様のご来店を心よりお待ちしております」
このメッセージを予約メールの自動返信に入れておくと、キャンセルになる人もいますが、これで真剣に返信してきたり、そのまま来店される方は100%の確率で成約します。
そもそも悩みが強いですし、お金はかかるものだと思っている人だけがくるからです。
売上が安定してきて広告費をかけることができる状態になってからこれをやるとますます売上が上がることになるのです。
新規の予約が入れば20万確定、10名呼べば200万確定と言った状態です。
これがフロントエンド・バックエンド戦略です。
次の章からは、来られたお客様を成約させるためのテクニックについての実践編に進みます。